名探偵って嘘ついてもいいの?(「屋根裏の散歩者」)

(今回はタイトル作品のネタバレになっている部分もあるのでご留意ください) 江戸川乱歩の短編「屋根裏の散歩者」は、雑誌「新青年」の1925年(大正14年)8月増刊号に掲載された作品で、下宿の屋根裏から密かに人の部屋を覗き見るのを趣味にしていた若者・郷田三郎が、同じ下宿でちょっと虫がすかない人間を、天井の節穴…