超・人情噺「釣堀にて」(久保田万太郎)

久保田万太郎の戯曲「釣堀にて」(1935年「改造」1月号に掲載)は実に不思議な戯曲です。 これは、一人は二十代の若者、もう一人が五十代半ばぐらいの老人の、釣堀での会話ではじまります。 まず若者は、自分は母親が、今の父ではなく別の男と関係してできた子だと話し、故あって離婚したのだけれど、会ってくれないか、と…