砂手紙のなりゆきブログ

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シェイクスピア『ロミオとジュリエット』の真犯人は誰か

 映画で一番よく知られていた『ロミオとジュリエット』は1968年のフランコ・ゼフィレッリ監督作品ですかね。元ネタがくだらないので、これも含めて、作られた映画もだいたいくだらない。基本プロットみたいなのを頂いて作り直した『タイタニック』(1997年)は面白いんだけど、なんと! その前年に公開された『ロミオ+ジュリエット』(1996年)でロミオ役をやるレオナルド・ディカプリオが水の中に沈んでいるところがある。あまりにもこの映画、全体にパロディっぽいんで、『タイタニック』の真似してそこの場面作ったのかと思ったら逆だよ!
 話のほうは、日曜日に両家が教会前で派手な喧嘩をして、月曜日に晩餐会があってロミオとジュリエットが出会って、火曜日に結婚してその日の午後にマキューシオとティボルトが死んで、その日の夜から朝にかけてセックスして、水曜日にパリス伯爵との結婚式の予定が組まれて、その日の夜に自殺みたいに見える薬を飲んで、木曜日に葬儀で、その日の夜に勘違いしたロミオが死ぬ。ロシア民謡の「一週間の歌」より展開が早い。
 ところがロミオが死んだと思ったらそれはただの死んだように見える薬を飲んだだけで、目が覚めたジュリエットは勘違いして薬を飲んで死ぬ。
 ところがジュリエットが飲んだ薬も死んだように見えるだけの薬で、目が覚めたロミオは勘違いして、と延々と続くことになりそうなところを、いい加減うんざりしたティボルトが「お前らいい加減にしろ! ゆっくり死んでられないじゃないか!」とよみがえってオチをつける、という話ではありませんが(それではただのコントで悲劇にならない)、この事件の真犯人をぼくは知っています。というか多分皆さんも知ってるんじゃないかな。
 この件で多分一番得をする人物、つまりロミオのいとこのベンヴォーリオです。
 町なかでの喧嘩沙汰は2回ありますが、そのどちらにもかかわっていて、キャピュレット家の晩餐会に仮面で忍び込むのもベンヴォーリオの案で、ロミオがティボルトを殺すときもベンヴォーリオの剣を借りておこないました。
 …ここらへんは記憶で書いているのでどうも我ながら嘘が混じってる(話を盛ってる)気がしますが、ただ一つ言えることはこれだけ。
 ベンヴォーリオが、ロレンス神父の手紙を持った使いの人を追い越さなければ、いろいろあっても最後にはどうにかなった。
 そもそも、ジュリエットの死(死んだフリ)をなんでそんなに早く伝えなければいけなかったのか。もう死んじゃってるのどうしようもないだろ。これが「木曜日の結婚式をロミオに阻止させる」ためなら早く伝える必要はあるとは思うんですけどね。
 これで『マクベス』『ハムレット』に続いて、シェイクスピアの悲劇の真犯人がまた見つかりました。
 次は…『リア王』かな。よく知らないけどなんか、コーディリア(王の末娘)が黒いオーラただよってる。
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