砂手紙のなりゆきブログ

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過去のトラウマ持ちのキャラクター禁止(神のみぞ知るセカイ)

 アニメ『神のみぞ知るセカイ』2期、作中で「毎朝主人公を起こしに来る幼馴染、やたら事情通のクラスの男子、そして出会いがしらのパンチラ、これらの廃止を提言する」って言ってるのに「過去のトラウマ持ちのヒロイン」廃止は言わないんだな。それ言うとこのアニメ全否定、とまではいかないけど半否定になっちゃうからですかね。
 アニメ『神のみぞ知るセカイ』では多分陸上部の子と、平凡すぎて困る子とエルシィにはあまり過去のトラウマない(薄い)気がするけど、お金持ち風の子はお父さん、アイドルは過去の仲間、図書館の子は感想文原稿用紙100枚その他、空手の子は幼少時の過去トラウマ、熱血教師はバスケ部時代、ハクアは優等生だった過去、というトラウマ持ちだったですかね。
 その中で、主人公の桂木桂馬が過去のトラウマ語ってない数少ないキャラクターなのが面白かった。なんでここまでゲーム(ギャルゲー)に入れ込むようになったのか、過去の体験とか語ってないよね? リアル女子にふられた、みたいな黒い思い出は確認できなかった。
 だいたい、『進撃の巨人』だって、なんで巨人が人襲って食うんだよ。ゴジラも、なんで東京に来てビル壊すのか。放射能好きなら原発のあるところに行くのが普通じゃないの? そういうネタ、今はもう危なすぎて作れないか。伝聞情報では、なんで巨人が地球に来るようになったか、というところで「トラウマ」みたいなのというか、理由の説明つけさせようとしているみたいな展開もあるらしいんだけど、そういうのは本当、編集者のお節介だと思う。
 いや、人間(というか、編集者は漫画家などに)、このキャラクターがどうしてそういう性格になったのか、つい聞いてみたくなっちゃうんですよね、恋愛漫画だと「このキャラクター(男子)のどこがヒロインの好きになったポイントなの?」みたいな感じで。しょうがないので「えーと、雨の中で捨てられた子犬を拾ってるのを見て…」とか、過去にこういうことがあった、という話を作る。要するに、編集者への説明のために「過去のトラウマ」が作られているようなもんです。
 ミステリーも、犯行の動機に「過去のトラウマ」ってけっこうありそうな気がするんだけど、そんな、犯行のWhy(なぜ)にこだわる必要あるんですかね。犯人頭おかしいから殺した、のほうがわかりやすいと思うんだけど。恋愛と金はまぁ許すけど、「過去にいじめられた」ってのはちょっと変だと思う。
 昔の映画、別に『二十四の瞳』の大石先生が先生になった動機とか、『用心棒』の三船敏郎がなぜああなったのか、なんて語られてないですよね? 物語の中でキャラの設定するのに、短い話だとそういうトラウマっぽいのはないほうがすっきりすると思うけど、長い話だと難しいんだろうな。
 映画『二十四の瞳』が21世紀にアニメ化されたら、大石先生は幼少時にいじめられたのをかばってくれた男の子とかトラウマ設定にするね。でもってそれが船長で大石先生の結婚相手だ。すげぇテンプレ。
 さらに、映画『二十四の瞳』の船長を主人公にすると、大石先生は毎朝主人公を起こしに来る、気の強い幼馴染。ライバルには島の旅館の娘とかがいて、小豆島で最初に自転車買ってもらった小学生…。こういうロクでもないこと考えながら映画見ます。

(これは前にTogetterでまとめたものをブログテキスト化したものです)