黒い長い髪の人と瞳の色(異国迷路のクロワーゼ)
映画『カサブランカ』の中の(日本語での)名セリフ「君の瞳に乾杯」って、誤訳だって人もいるけど、まぁ「Here's looking at you, kids」は「Here's a toast」を少し略してある、という問題じゃなくって、そもそもあれ、瞳じゃないですよね。
瞳というのは瞳孔で、瞳の色というのは虹彩なわけで、アニメの中の目の色という場合は、ほとんど虹彩の色だよね。レイプ目の場合は多分瞳孔が開いちゃった状態なんじゃないかと思う。瞳孔が黒くない人間はいない。
アニメの中の目は、白いところと瞳孔と瞳(虹彩)、それに2つの照り返し(虹彩と瞳孔の中のフラッシュ)というパーツでできてるのが普通でしたが、最近は虹彩にグラデーションかけたりして、上と下の色を変えるのも基本。21世紀のアニメは鼻とか鼻の影なんかほとんど描かないのに、目の形と色だけはものすごく進化してる。
最高に美しいのは『モーレツ宇宙海賊』の加藤茉莉香の、赤っぽい毛とマッチしている、灰色の混じった青い瞳(虹彩)ですかね。少女漫画的タッチを組み入れた少年漫画の最近のタッチな気がする。
しかし日本人は黒い髪と黒っぽい瞳がいいところだと思うんだけれど、長い黒っぽい髪で黒い瞳の子って、探してみた限りではうまく見つからなかった。どちらも黒くすると画面が重たくなりすぎるせいですかね。『断裁分離のクライムエッジ』ですら瞳の色は青だった。『さよなら絶望先生』の絶望少女たちは、外人を除くとほぼ黒髪+茶色の瞳で統一されてるけど、これは意味合ったのかも、って漫画の最後で気がつく。
今日の話は、日本人っぽい長い髪の子というと『異国迷路のクロワーゼ』の湯音。この子の瞳って実に複雑な緑色…というか、抹茶色ですよね。
ちなみに英国人には緑色の瞳だと「green eyed monster」から、嫉妬深い、って謎の意味があるみたいです。起源はシェイクスピア『オセロ』。
O, beware, my lord, of jealousy !
It is the green-ey'd monster which doth mock
The meat it feeds on;
…そんなこと言われてもなぁ。
別に黒じゃなくても、黒い髪の子には暗い(深い)紫とか緑とか青の瞳でもいい感じです。『氷菓』の千反田えるさんとか。そもそもそんなに町で直毛の黒い長い髪の子って、リアルではほとんど見ない。