昔作られた昔のアニメとか映画（WHITE ALBUM）

　アニメ『WHITE ALBUM』は、時代設定が1986年になっている2009年のアニメで、古い物を極力再現して作られた古い映画・アニメは、その偽物っぽさが未来を予想して作られた昔の映画・アニメ（レトロフューチャー系）よりも複雑に人をややこしい感情にさせます。映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』は1985年の少年が30年前の1955年にタイムスリップする話ですが、2013年から30年前は1983年です。『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』で行く未来は2015年で、これも胡散臭さ満載ですが、30年前に作られた60年前の話の胡散臭さにはかないません。というより、1985年を「現代」として描いている『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の、今となってはレトロな古臭さがいい味になっています。
　今の時代を忠実に再現しようとした映画が、時代とともに古くなるのは仕方ないですが、昔を再現しようとして作られた昔の映画は、見る人に微妙な感情を持たせます。しかし今でも作られる映画の何割かはそういう類のもので、関係者が存在しているとは思えない、100年ぐらい前のものだったらともかく、1980年代の記憶を持つ人間はたくさんいると思います。