砂手紙のなりゆきブログ

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静岡県浜松市(苺ましまろ)

 静岡県浜松市は静岡県の西部にあり、東海道新幹線ができるまでは、特急で東京から3時間半、大阪から4時間という距離にありました。ということは、要するに出張で東京・大阪間を行き来するときには、ちょっと弁当を買ってみたくなる時刻になる駅が浜松駅です。
 1960年代はじめの名物はうなぎ弁当とストリップで、アチャコが「えげつない」というくらいなので、よほどえげつなかったんですかね。あとバイク&オートレースと織物工場と楽器(特にハーモニカ)です。ハーモニカに関しては、黒澤明溝口健二などの映画音楽担当だった早坂文雄が、浜松で駅売りのハーモニカを買って(そんなものが当時はありました)映画スタッフにその芸を披露したという話もあります。早坂文雄は札幌の旧制中学時代はハーモニカで全国2位になり、その時の1位の人はプロになりました。
 ここらへんに関しては、映画『喜劇 駅前弁当』に依拠してますが、この映画はたいていの当時の映画と同じく、セット撮影と現地の撮影をあからさまに組み合わせています。それでも現地に行っているとは思えない、ハリウッドの珍道中シリーズよりははるかにマシです。
 気になることとしては、各地の駅弁を試食しているシーンで「岡山」「京都」のがあるんですが、岡山のは明らかに鯖寿司ですよね? 「なんたってうちのうなぎめしが一番だよ」とか言ってます。ほかの各地の弁当には「こんなんでよく金が取れるなぁ」「これなんか見かけだけだもんな」とか言いたい放題です。なお、岡山・京都の弁当そのものは直接には指して悪口言ってません。
 新幹線を含む、窓の開かない電車とともに各地の駅弁産業は地味に衰退もしくは形態を変えているようですが、浜松のうなぎ弁当(うなぎめし)その他はどうなっているでしょうか。
 1960年代はじめの浜松を知るには、映画『喜劇 駅前弁当』のほかに、youtubeで「浜松市政ニュース」というものが挙がっています。「昭和36年の浜松市政ニュース10」では、当時の浜松市街地の交通渋滞を扱っていますが、これを見ると浜松出身の映画監督・木下惠介が「中田島砂丘」と「三方原台地」を舞台として借りた映画は撮っても、浜松市内は決して映画にしなかった理由がわかります。
 アニメ『苺ましまろ』の舞台は21世紀はじめの浜松市でした。
 現在の浜松市は、多分荒廃しかかる直前のデトロイト市です。