砂手紙のなりゆきブログ

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「ルイジアナ・ママ」という歌の謎・その2(ロニオリ)

 昨日の続きです。
 まず気になるのは、「金色の髪と青い瞳」(Golden hair and eyes of blue)の女性がニューオリンズにそんなにいるか、という疑問です。
 ルイジアナ州そのものが、昔はフランスの植民地だったんでヨーロッパの白人いるとは思うんですが、金髪碧眼って実はそんなにフランス人には多くないんですよね。そもそもはゲルマンとか北欧系なんです。
 あとニューオリンズのDixie queenなら、芸人(歌手とか)なら普通黒人じゃないですかね。それは今の感覚か。1960年代はじめぐらいに「黒い肌の子」とか白人が歌ったらみんなたまげたのかな。
 それからこの歌、妙に南部にしか見当たらない、もしくは南部で盛んな語が、さり気なく入ってますよね? 「バイユー(bayou)」と「マルディグラ(Mardi gras)」。特に後者はニューオリンズの名物です。
 バイユーに住んでる子にマルディグラで会って、南部に行く友人に「To see what you can find」って言ってるってことから類推できることは、

ルイジアナ・ママって実は「ニューオーリンズからやってきた」わけじゃないのでは?

 というのはどうでしょう。
 まぁ普通は「from」って、「○○から来た」って訳すんだけど、「○○出身の」「○○生まれの」というのもある気がする。
 それだといろいろなものが腑に落ちます。
 歌を作ったジーン・ピットニーはアメリカの東部、コネチカット州で生まれ育った人間なんですが、何かの機会にニューオリンズに行って「ルイジアナ・ママ」に会って、もう一度会えたらなぁ、と回顧している、という設定にしてあるんですかね。
 なんでルイジアナのニューオリンズに行ったのかは、それはもう長い話(創作もしくは捜索)になりそうです。

 しかしそうなると、日本語で「○○から来た××」ってタイトル、全部見直さなければならないですかね。映画『ララミーから来た男』とか、ロアルド・ダールの「南から来た男」とか、ディクスン・カーの「パリから来た紳士」とか、フレドリック・ブラウンの『未来世界から来た男』(短編集)とか。
 なお、金髪碧眼のディキシー・クイーンは、引き続き不明なので、どなたか見つかったら教えてください。
 ヴィヴィアン・リーニューオリンズを舞台にした『欲望という名の電車』で有名)なんか、多分典型的な南部女子のイメージなんだけど、金髪じゃないですね。
 あと、ワンダ・ジャクスン(WANDA JACKSON)っていう素敵なロカビリーの女王見つけた。これはなかなかいいですよ! 「フジヤマ・ママ」という歌も歌ってます。ちょっと歌詞がヤバめだけど。それに金髪じゃないです。