砂手紙のなりゆきブログ

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光源の問題(マトリックス)

 映画『マトリックス』は、予算の問題その他の理由からほとんどオーストラリアで撮影された映画なので、注意して見ると北半球と光源が違います。南半球では「北側」から太陽が照らし、太陽は観察者からは「右から左」に動きます。つまり、それを普通に撮れば北半球の人には「西から上った太陽が東に沈む」ように見えます。それに関しては、1・夜間撮影を主におこなう、2・撮影者側がごまかす、3・撮影者側が気にしない、という方法があります。映画『マッドマックス』ではそれが更に顕著でした。つまり、道を走っている車が夕陽に向かって走っているとき、光源側からは「左から右」へ走っていて、その先に夕陽が見えてても気にしない。
 映画『マトリックス』の問題は、2作目の『マトリックス リローデッド』のほうが面白いことになっています。この映画で有名なカー・チェイスのシーンは、アメリカのカリフォルニア州アラメダに2.5キロというすごい高速道路を作ってロケしているんですが、道路を走る車が右側・左側通行と入り混じっているうえ(オーストラリアは日本と同じ左側通行ですが、高速道路は右側通行になってます)、光源というか太陽の位置・車の走る方向がすごいややこしいことになっていて、一度見ただけでは途方に暮れます。
 しかしまぁ、南半球で撮影された、最も首をひねる映画は『ロード・オブ・ザ・リング』3部作ですかね。何しろ原作はホビット庄から霧ふり山脈を越えて延々と「東」のほうに歩く話なんですが、映画だけだと西に向かってるのか東に向かってるのかわからなくなります。