砂手紙のなりゆきブログ

KindleDPで本を出しました。Kindleが読めるデバイスで「砂手紙」を検索してください。過去テキストの一覧はこちら→http://d.hatena.ne.jp/sandletter/20120201/p1

字幕の問題(ヴェラクルス)

 西部劇映画『ヴェラクルス』を見ました。
 これは、藤子不二雄Aの半自叙伝的漫画『まんが道』の中で、上京して漫画に励むことになった2人が、トキワ荘時代の手塚治虫と一緒に見たことになっている娯楽映画です。
 話の内容は、南北戦争で土地を失った兵士(士官)が、戦乱が続くメキシコへ行き、悪党のリーダーとかと帝国の金貨200万ドルを巡って争う話です。悪役のゲイリー・クーパーの変な笑い方は、手塚治虫の漫画に出てくるアセチレン・ランプみたいだけれど、映画的には宍戸錠のほうが影響受けてるのかな。ジョーだし。
 映画の中の話は1860年代後半ぐらいの時代設定ですかね。日本での映画公開は1955年4月。アメリカ映画はこの時代からしっかりカラー映画なのに驚いた。作品的には中の中ぐらい。西部劇ならもっと面白いのがいくらでもある。
 それはいいんですが、この映画、日本公開時には『ベラクルス』ってタイトルなのに、DVDでは『ヴェラクルス』表記で、字幕もそうなっています。『まんが道』のほうも『ヴェラクルス』表記だし、ここらへんどうなってるんだろうな。
 まぁ、『まんが道』を「史実」と比べるといろいろおかしいところはあるんで仕方ない。漫画少年の廃刊が関係者に告げられる(情報が回される)のは1955年の9月中ごろで、まだ残暑が厳しい時期のはずなのに、みんなが着ている服は秋~初冬の、そろそろ寒くなりはじめる時期の服です。
 だいたい、1954年の6月に藤子不二雄が上京した時にはまだ『ヴェラクルス』は上映してないはず。別の機会にこの映画を3人で見て、感想を話し合うとかしたのかな。『血槍富士』(1955年2月)は『まんが道』の話と合ってる気がするけど、『砂漠の鬼将軍』は1952年7月公開になってました。昔の映画がいつどこで公開されてて見たのかは、正確な情報はネットで知ることは無理です。
 あと、藤子不二雄手塚治虫が見た映画と、今のぼく(ぼくら)が見ている映画とは、字幕が違いますよね? 和田誠が映画館で見て覚えた、昔の映画の字幕とかも?
 そう言えば、昔の映画って、字幕が「両側にタテ(しゃべっている側のほうに出る。背景が白の場合は原則外)」だったじゃないですか。今のDVDだと、字幕は「下(何か英語とかのテキストがある場合は右)」ですかね。
 それから、「インディアン」が「原住民」になってるのも見たなぁ。昔の映画なら、インディアンはインディアンでいいじゃん。座頭市のセリフで「何ぬかしやがるこのドメクラ!」に「何ぬかしやがるこの視覚障害者!」って字幕がついてたら、さすがに変だと思う。
 なお、おいらの英語のリスニングは全然ダメのDマイナスなんで、有名な映画のセリフの元を知りたくなったら、セリフを原題+scriptとかでシナリオっぽいもの直接当たって確認してます。