砂手紙のなりゆきブログ

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手塚治虫の描くピアニストの曲げた指

 手塚治虫のピアニストが出てくる音楽漫画というと『ルードヴィッヒ・B』とか『虹のプレリュード』あたりが有名なんでしょうが、漫画の中のピアニストは作者と同じく「曲げた指」でピアノを弾いています。ところがどうも『ピアニストは指先で考える』(青柳いずみこ)の本によると、「伸ばした指」で弾く人(流派)もあるらしくて、実はショパンは曲げた指ではとても弾きにくい、なんてことが書いてあります。ちょっとだけパラフレーズ引用してみると、
・「曲げた指」はクラヴサン時代からの伝統的な奏法。個々の音はクリアになるが、単音が伸びない。
・「伸ばした指」は、ショパンの柔軟性を重視する奏法。ミスタッチは少ないが音の粒だちがやや悪い。
 青柳いずみこさんは前者の奏者として若いころのポリーニやペロフ、ポゴレリッチ、後者の奏者としてサンソン・フランソワその他たくさん、で、後者のほうが(今は?)多い、としています。youtubeで確認してみてください。
 だいたい手塚治虫のクラシック趣味って、ちょっと今の感覚的には古い気もするんですが、そちらの知識は皆無なのでえらそうなこと言えない。
 ネットで確認少しした限りでは、ホロヴィッツだけ猛烈に変だった(明らかに指曲げないで演奏してる)けど、他の人たちは「伸ばしているといえば言えなくもないけど、よくわからないなぁ」レベルでした。
 漫画やアニメでも実はよくわからない。『のだめカンタービレ』とか『坂道のアポロン』のピアノ弾く人、指の形はどうだったっけ。ジャズの場合はクリアな音のほうがいい気がするんで、山下洋輔とかは普通に指を曲げてるように見えます。