砂手紙のなりゆきブログ

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ラクガキをしながら本を読む(夏目漱石)

 本の便利なところは、どこでも読めるところと、読みながらラクガキができるところです。どこでも読める、という便利さでは今はスマホを含む携帯読書機のほうが勝ってますが(暗いところでも大丈夫だし、文字の拡大もできます)、ちょっと落書きはしにくい。なお、落書きする本は当然自分で買った本に限定です。人からとか、図書館から借りた本だとちょっと具合が悪い。
 昔は、自分の気にいったところ延々と線が引いてある本なんかを、いろいろなところで見かけたものですが、最近は滅多にないんで、そういうことやる人は多分今まで以上に「自分以外の人の目には触れないようにしている」んじゃないかと思います。でも文豪なんかは死ぬと蔵書がどこかに保存されて、研究者にとってはとても参考になる書き込みのある本が、研究のために利用されます。
 芥川龍之介では「日本近代文学館所蔵芥川龍之介文庫和漢書の書き込みに関する文献学的研究」(須田千里研究代表)なんて論文がありますし、3000冊ほどの蔵書が日本近代文学館にあります。
 夏目漱石の蔵書は東北大学附属図書館に保存されており、研究者は見ることができます。「東北大学附属図書館 夏目漱石ライブラリ」によると、2862冊の蔵書のうち洋書が1647冊、英文学書が879冊というので、時代を考えるとなかなかのものです。
 かつての文豪が、外国のどのような作家を創作の参考にしたのか、蔵書以外にもいろいろなことでわかるようであります。
 まぁ、夏目漱石は自分の蔵書売るとか考えてなかったんだろうなあ。鼻毛とか植えてたりしてたみたいだし。