砂手紙のなりゆきブログ

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ところで皆さんは映画『二十四の瞳』の大石(小石)先生の名前を知ってますか

 大石(小石)先生の名前は「久子」って言います。大石久子。当時としては普通の名前ですね。
 当時にしては珍しい一人娘だったので、婿養子を迎えました。だもんで結婚しても苗字が変わってません。
 そして二人の男の子(大吉・並木)と一人の女の子(八津)を産みました。
 ところが、お父さん(大石先生の夫)の名前がどうも調べかたが悪いのか、映画でも原作でも確認できませんでした。誰か知ってたら教えてください。
 一人娘の八津は、木下惠介の映画では柿の実を取ろうとして、小説では青い柿の実を食べて急性腸カタルで、死んでしまいます。昭和20年の秋のことです。キネマ旬報のデータベースを参考にしているサイトはどこも「二つになる末っ子は栄養失調で死んだ」と書いてありますが、それは年齢も死因も間違っています。二歳の子供には木登りはできないだろうと思う。
 えーと、とりあえず「柿の木には登ってはいけない」というのが、基礎知識としてないと難しいですかね。あれ、折れやすいんですよ。人が乗ると本当にいきなり折れるらしい。ぼくはそういう体験がないからわかりません。でも、ちょっと目には折れそうにないところがあるんだよなぁ。
 なんでその子の名前が「八津」なのかというところは、映画では語られていませんが、小説では次のように語られています。いつもこの節を読むと泣いちゃいます。男泣き。

(前略)おかあさん(注:大石先生)の話では、八津が生まれたときにおとうさんはもう、からだのぐあいがすこしわるくなりかけていて、船をおりて養生するつもりだったという。長年、世界の七つの海をわたりあるいたおとうさんは、いまはもう家にかえって休みたいといい、八つめの港をわが家にたとえて、そのとき生まれた女の子に八津という名をつけた。しかし、病気のおとうさんもわが家の港に病気をやしなうことができず、希望をかけた八津もまた死んでしまった。

 ぼくの頭の中では、大石先生は「隣に住んでいて、毎朝起こしにくる強気な幼なじみ」キャラで、夫の人が主人公です。学年は大石先生より一つ上で、主人公の友達には、やたら事情通のクラスの男子がいます。