砂手紙のなりゆきブログ

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今まで読んだ最低のSFは何か

 映画やアニメにしろ小説にしろ、最低の作品を決めるのはなかなか難しいです。ベスト作品はけっこうその日の気分や、様々な方向での選びかたがあるんで複数になってもしかたないと思うんだけど、それと同じ基準で考えてみると、
・薄っぺらな性格づけのキャラクター
・貧弱な物語構成(プロット)
・もったいぶってる割にはたいしたこと言ってないテーマ
 の3つにおいて最低レベルを考えないといけないですが、強いて言うなら、『コロサス』でしたかね。冷戦時代のコンピュータが人類を支配するという、ありふれた恐怖(ただまぁこれは時代に負けてしまったところもあるから仕方ない)の中を、存在感のないキャラクターがダラダラ動くという擬似サスペンス。映画にもなりました。『地球爆破作戦』。しかし製作・公開が1970年と、少し中途半端な時期に作られてる感じです。1960年代前半ぐらいに作られてたらもっと面白いものになってたんじゃないかな。要するに007シリーズが始まる前に、冒険小説・サスペンス的映画みたいな感じで。
 ところが、この『コロサス』って続編あるんだよね。しかも2作。地球征服したあとにすることあるのか、という感じですが、火星人を出したりしているみたいです。紹介しているサイトのテキストを引用します。「くろのす」ってサイトの2010年12月19日づけのテキストから。

The Fall of Colossus コロサスの没落
 コロサスが人類を支配して5年後の世界。
 ワイト島に建設された先進の後継システムに更新されたコロサスは、世界中から戦争と貧困を根絶する一方、殆どの国際スポーツ競技を廃止して実際の艦隊が交戦する「海戦ゲーム」を開催していた。

 …あちらの『コロサス』紹介テキスト読んでたらちょっとまた読んでみたくなった。
 なお、SF作家として最低のポジションにあるのはリン・カーターですかね(ただし編集者としての才能はすごいと思う)。もう、彼のゾンガー・シリーズなんていくら読んでもつまらない。マイクル・ムアコックの火星シリーズが秀作に思えるぐらい。
 日本人作家では、存命な人は差し障りがありますが、Nの『A』って小説。死んだ人だと安岡章太郎と青木雨彦のエッセイ。読んだことない人でその二人よりひどい人いるかもしれないんでどうでしょう。