砂手紙のなりゆきブログ

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落語「寝床」のオチが「そこは私のベッドでございます」だったら誰も納得しない(翠星のガルガンティア)

 本屋に行ったらいつの間にか「Web小説」という棚ができていて、中ニ病系異世界ファンタジーの泥沼ぶりに唖然としました。電撃文庫より立ち読みする分にはこちらのほうが面白かった。
 具体的な作品からテキスト引用するといろいろ差し障りがあるんで、以下のものはサンプルです。

 藪に潜んでいると5メートルほど先を1頭の馬に乗った騎士が疾駆していった。

 異世界なのにメートル法。普通です。おまけに馬までいる。普通です。割とましなのは「メル」とか架空の単位にしてありますが、春夏秋冬や動植物は現在のものをそのまま使用しています。ていうか、そんなの独自に考えるのはとても大変。

 漆黒をベースにしていながらも、ラインはどこかメルヘンチックな服をまとった少女。

 これはひどい。でも似たようなのが本当にあるんです。書店で探してみるといい。漆黒ってのは「漆」というものがない世界でも存在する色なのか。「灰色の空」ぐらいならまぁ、灰はあると思うんでわからなくもない。
 英語と日本語・漢語が混じってて特に問題ないのなら、「ベッド」という落語があってもいいのか。「カウンター」は「卓」、ベッドは「床(寝床)」ぐらいならまぁ許せるんだけど、そうすると漢字ばっかりになりますね。時代小説にしたほうがまし。
 異世界で、まず会話による意思の疎通が大変、ってところから始まってる話って、アニメでは『翠星のガルガンティア』ぐらいしか思いつかない。