砂手紙のなりゆきブログ

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アメリカのスーパーヒーローは「正義」じゃなくて「正義の味方」なんじゃないかな(スーパー!)

 映画『スーパー!』は、冴えないコックの主人公が、妻が麻薬密売のボスのところに走ったのをきっかけに、神の啓示を受けてスーパーヒーロー「クリムゾンボルト」になって、助手のスーパーヒロイン「ボルティ」(本業はコミック・ショップの店員)と一緒に町の悪人をボコボコに殴る映画です。
 この監督は多分知っててやってるんだと思うんだけど(じゃないとボルティの役に『X-MEN:ファイナル ディシジョン』でスーパーヒロインやったキティ・プライド使ったりしないはず)、アメコミにおけるヒーローは、原則として悪人を警察に引き渡すのが仕事で、その過程でちょっとボコボコにすることはあっても、自分たちを「正義」とは考えないし、だいたいしょっちゅう善と悪・正義と悪について考えてばかりいる。スーパーセラピストに週に5回は見てもらったほうがいいぐらい。
 日本の漫画でも『鉄腕アトム』なんかはそんな感じで、悪い人が考えたり作ったりした機械はこわしても、作った悪い人の裁きは警察関係にまかせたりする(ときにはそんなこともしない)。
 日本の場合は「警察方面=正義の執行者」という意識はないんで、高倉健なんて勝手に悪い人を叩き切ったりしてますけどね。でもそのあと警察に出頭したりしてるか。
 映画としてはちょっと日本人好みだけれど胸よりも眉毛のほうが気になるキティ・プライドの扱いがひどくて悲しい。これじゃただの頭のおかしい人だよ。
 彼女の出てくる映画では『インセプション』が一番いいんだけれど、アニメ『PSYCHO-PASS サイコパス』実写でやるならヒロインの常守朱はこの子だよな。
 あと、悪役のケヴィン・ベーコンは渋くかっこいい。