砂手紙のなりゆきブログ

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セオドア・ルーズベルト米大統領と人種差別(ナイトミュージアム)

 映画『ナイトミュージアム』はアメリカ自然史博物館をモデルにした博物館で、夜中になると動く展示物をめぐって、やさぐれ警備員役のベン・スティラーが活躍する話です。ベン・スティラーの出ている映画ってこれが多分一番日本では知られているよね。この映画なかったら彼の(日本での)代表作は『ズーランダー』かな?
 この博物館の中で、馬に乗って主人公と話をする、小太りで眼鏡の人がセオドア・ルーズベルトです。このときの格好は米西戦争キューバにラフ・ライダース(騎兵隊)として攻め込んだときのものですかね? アメリカ史さっぱり不明なんですが、この役のロビン・ウィリアムスはもう50代なんで、別の機会に馬乗ったものかもしれない。
 セオドア・ルーズベルトは、日本人にはポーツマス条約(日露戦争講和条約)で少しだけ知られてますが、歴史上最大規模の先住民(インディアン)虐殺であるサンドクリークの虐殺を「正当で、有益な行為だった」と支持している無慈悲な人でもありました。
 サンドクリークの虐殺は、1864年11月29日、ジョン・チヴィングストン大佐によって行われたもので、男たちが狩りに出かけていて女と子供だけしかいなかった集落を「シラミの幼虫はシラミになるからな!」と言って襲い、数百人を殺した事件です。
 ニューヨークの出版社ビードル社は1860年、初のダイムノヴェル(10セントで買える読み切り小説)として『マラエスカ』を出しますが、著者のアン・S・スティーヴンズは、エドガー・アラン・ポーがその文才を「ニューヨークの文人たち」で評価した女性作家で、話の内容は白人と結婚した先住民(インディアン)の女性、およびその息子の話で、最後にヒロインが死ぬ悲しい話でした。
 以上、『ダイムノヴェルのアメリカ』(山口ヨシ子・彩流社)の記述に依拠してます。