砂手紙のなりゆきブログ

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映画撮影監督・木村大作名言集(キャメラマン魂)

 木村大作というのは映画の撮影に関する監督(映像技術面方面の監督)で、黒澤明『隠し砦の三悪人』ではじめてその職につき、『八甲田山』その他体育会系な映画で有名な監督です。
 石渡均編『キャメラマン魂』(フィルムアート社)の中の、木村大作の話が男前すぎて泣けるので、ざっくり要約してみます。

・映画『駅STATION』シナリオ・倉本聡のでは絵にならないんで、駅にいい場所を、小樽から歩いて「銭函」と「上砂川」に決めた。10日かかった。
・映画『夜叉』田中裕子が高倉健に過去を告白するシーンをシケの海にしたのは俺。田中裕子「木村さん、私、この絵の中だったら言えるわ!」
東映の三角マークのタイトルバックを映画『火宅の人』でセピア色にしようとしたら、社長に絶対駄目と言われた。『八甲田山』の東宝マークは変えさせた。
・映画『八甲田山』撮影をはじめたときのスタッフは11人。毎日3時間もかけてロケ現場まで行って撮った。
・映画『あ・うん』は春の花々のファーストシーンにしたくって、勝手に甲府から伊豆まで一か月間春の野花を撮ってきた。まごまごしているとみんな散っちゃうから。
・俺にとって理想の映画は『アラビアのロレンス』『七人の侍』『第三の男』『風と共に去りぬ』だよ。こういう作品が撮れたら…俺はキャメラマンとして一生を賭けても悔いはないと思う。

 木村大作による、自己のベスト・ショットは、降旗康男監督『駅/STATION』の冒頭、銭函駅で佇む高倉健のシーンだそうです。キャメラ:パナフレックス、レンズ:望遠レンズ75ミリ、フィルター:なし。
 映画撮影に関する本いろいろ読んではいるんですが、21世紀になりかけのころに多くの機材のデジタル化が進んで、現在はまた違う技術の撮影技術がいるようであります。漫画家とそのアシスタント(のデジタル化)と同じですかね。
(これは以前Togetterでまとめたものを再編集しました)