砂手紙のなりゆきブログ

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右を見ないで左を見ると、一面の今井正(1950年代キネマ旬報ベストテン)

 1950年代の左翼系(非娯楽系)映画評論家に一番人気があったのは今井正で、当時の人気と今の見られなさ・語られなさぶりの落差に唖然とします。再評価するにはあまりに戦後の一時代を背負いすぎていたのかな、とか思いました。
 ざっとその作品を「キネマ旬報ベストテン」から回顧します。
1950年 また逢う日まで(1位)
1951年 どっこい生きてる(5位) 1位は『めし』
1952年 山びこ学校(8位) 1位は『生きる』
1953年 ひめゆりの塔(7位)
    にごりえ(1位) 2位が『東京物語
1955年 ここに泉あり(5位) 1位は『浮雲
1956年 真昼の暗黒(1位) 
1957年 米(1位)
    純愛物語(2位) なんとワンツーフィニッシュ。3位は『喜びも悲しみも幾年月』
1958年 夜の鼓(6位)
1959年 キクとイサム(1位)
 10年間で1位が5作ですよ。小津・黒澤・成瀬とかでもこんな記録出してない。
 この時代のキネマ旬報ベストテン、いったいどういう人たちが投票していたのか真剣に知りたい。