砂手紙のなりゆきブログ

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森繁久彌は桂文楽で、フランキー堺は古今亭志ん生で、三木のり平は林家三平かな(へそくり社長)

 どうも今まで森繁久彌の面白さって分からなかったんだけど、社長シリーズの第一作『へそくり社長』見て少しキャラの把握ができたような気がします。細かいところの動き(芸)が面白いんだよね。『喜劇 駅前弁当』だと、アチャコとテーブルの上でカメラをやりとりするところとか(そんなの誰も覚えてない)。映画『へそくり社長』では、どじょうすくいの踊りを三木のり平から教わって、それが縁でシリーズのレギュラーに三木のり平がなったということですが、とにかく出てきただけで面白い役者なんだけど、落語聞きに行ってトリが林家三平だったらちょっとがっかりする。まぁそう言ったポジションです。
 映画『へそくり社長』では、どじょうすくいの安来節の他に、芸・小唄がいくつか披露されます。
・飲みに行ったところの芸者が三味線で踊る長唄「秋の色種」(うつし心に花の春 月の秋風ほととぎす 雪に消えせぬ楽しみは 尽きせじ尽きじ千代八千代)
・森繁社長が小唄の師匠(藤間紫)相手に稽古をして、自宅の風呂の中で歌う江戸小唄「辰巳よいとこ」(辰巳よいとこ素足が歩く 羽織ゃお江戸の誇りもの)
・さらに稽古を重ねて、「雪のだるま」(雪のだるまに炭団の目鼻 解けて流るる墨衣)
・小唄の師匠と逢びきに行った先の風呂で歌う小唄(曲は不明)
・年に一度の明和商事社員慰労会(宴会)で女子社員が歌う「オー・ソレ・ミオ」(ああなれのみぞ ときわの光よ)
 他にも何かあったかな?
 この映画で一番面白いところは、風呂場でプラスチックの湯おけを森繁社長が踏んでこわすところです。