砂手紙のなりゆきブログ

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勝手に人のビルを自社ビルにしている森繁久彌の「社長」シリーズ

 まぁ「勝手に」ではないとは思うんですけどね。
 わりとありがちなのは、映画会社の関連ビルを○○商事の会社みたいにして写す、って奴ですかね。
『社長三代記』(1958年1月)では、ビルの屋上での昼休み風景がありますが、少し遠くに皇居が見えてるんで、東宝本社ビルの屋上かなぁ。向かいのビルが特定できると判断できそうな気がします。

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『社長太平記』(1959年1月)では屋上から日本勧業銀行(現在のみずほ銀行)が見えますが、場所が特定できそうでうまくできませんでした。

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 銀座で見る映画は『モンプチ わたしの可愛い人』。1958年11月公開です。

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 海軍バー(キャバレー?)というたまげたものもあったようです。

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 ダンサーもセーラー服(白)。これはたまらん。

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『社長繁盛記』(1968年1月)では、ビルの屋上で男女が話しますが、右に見える大きな建物は日本住宅公団で、左には日本武道館が見えます。

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 映画の中で泊まることになっているホテルは高松国際ホテル。これはほぼ外見はそのままの形で残ってます。

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 1959年、丹下健三設計による香川県庁もほぼそのまま残っていますが、新館が現在は西側にできています。

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 社長の義父は少林寺拳法の師範クラスです。今は卍マークじゃなくてちょっと違う形になってます。演じているのは自身も達人の宮口精二です。このときまだ54歳、森繁久彌は婿養子の設定ですが、実は年は半年ぐらいしか違いません。

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 で、この映画の自社ビルは千代田会館です。これもほぼ原型のまま使われています。1967年3月28日に竣工。中には中部日本放送東京支社があります。この映画が公開されたときに入社した日本全国のサラリーマンもとっくに定年退職しているはずです。

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『社長えんま帖』(1969年1月)では、マルボー化粧品という会社の社長をやって、日本全国の支社に行くために自家用飛行機(セスナ)を買うんですが、テスト飛行で「あれがわが社のビル」っていうビルは、東銀座にあったときの電通のビルですかね。下のほうの平べったく見える建物は松竹の本社だったような気がします。

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 飛行機で九州まで飛んで、佐賀の唐津城まで行きます。天守閣は1966年に作られたものです。

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 唐津市内では唐津くんち(11月はじめ)の曳山を見物します。上映中の映画はクレージーキャッツ『日本一の裏切り男』とコント55号の『世紀の大弱点』。これは史実に基づいています。って、当時作られたままですね。東宝大劇って劇場ですが、どこにあったかは不明です。

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森繁久彌は桂文楽で、フランキー堺は古今亭志ん生で、三木のり平は林家三平かな(へそくり社長)