砂手紙のなりゆきブログ

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シナリオに「学校。教室」と書いてあるのを、学校の上下カメラ視点移動と教室の左右カメラ視点移動でアニメにするのはダメ演出

 いや、ダメというほどではないんですが、もう少し工夫ができないものかな、といつも思ってしまいます。
 アニメの絵を動かさないで画面(視点)だけを上下左右に動かすのは、手間暇と物語の読ませかたを考えると、それはそれでそんなに批判するものではないんですが、個人的には「またかよ(こういう画面作りはもう飽きた)」というぐらいには気になります。
 海に行って遊ぶ主人公たちのいるアニメで、人物止めて視点だけ動かしているシーンのないものは滅多にない感じです。
 それよりも最近気になるのは、教室(部室)に入ってくる人物の最初のカットを「その人物の足」で描く演出です。
 ドアを開けて部屋に入る人物を描くには最低上下左右中央の9分割・9方向からの撮りかたがあり、入る部屋の側ではなく反対側を入れると18通り、部屋の中にいる人物が右にいるか左にいるか、で36通りあります。
 映画の場合は不可能だとかコスト的に難儀だとか、そのあとの光源の配置が面倒くさい(部屋に入ったときからあとの光源はこういう風になるので、この角度以外は難しい)、みたいなことを撮影監督が話し、監督が決めるわけなんですが、アニメの絵コンテを描く監督は実写の監督と比べると制限が少ないように思えるので、よけい大変かなぁ、とか思います。
 見る側としては、監督が決めた角度・方向でしかその人物を見ることができないので、話の理解に支障をきたすほどの目立ちすぎ演出でなければ、他の映画・アニメとはこんな風に変えてとりました、みたいなのをもっと見たい気がするんですが、映画の演出的な主張としては様々な方向があるので、その中では「角度」は「陰影のつけかた(照明)」「カットのつなぎかた(編集)」よりはたいしたことない問題なんですかね。