砂手紙のなりゆきブログ

KindleDPで本を出しました。Kindleが読めるデバイスで「砂手紙」を検索してください。過去テキストの一覧はこちら→http://d.hatena.ne.jp/sandletter/20120201/p1

撮影監督・森田富士郎が語る「眠狂四郎」で大変だったシーン(眠狂四郎女地獄)

 映画『眠狂四郎炎情剣』(1965年)の、ぼくの見たビデオでは映像特典ということで、5作目のこの映画と10作目の『眠狂四郎女地獄』(1968年)の撮影監督だった森田富士郎の話が入っていました。
 シリーズの1作目はまだ型ができていないから見なくていいとか、市川雷蔵は腰が座らない、要するに斬るときにあまり腰を入れられない人だとか、市川雷蔵に関する人となりとか、いろいろ面白いことが語られていますが(実際、3作目までは客の入りもたいしたことなくて、もうやめちゃおうかと製作側は思ってたみたいです)、映像表現(撮影)的に工夫して大変だったんだけど、なかなか普通の人には気づいてもらえないところに対する説明が特に面白かったです。
 映画『眠狂四郎女地獄』の殺陣のシーンなんですが、人物の上には雪が降ってない、というトリック。要するに、役者の周りだけ降らしてて、人物の肩とか髪とかに(作り物ですが。当時の素材は雪は麸か鳥の羽)雪がかかってないんです。アニメじゃなくて実写ですよ。よくまぁこんなすごいことを考えて撮っちゃうもんだと感心します。

f:id:sandletter:20140301001408j:plain


関連記事:

隅っこにちょっと何かを置いてピントを合わせない大映スコープの眠狂四郎・三隅研次監督の演出(眠狂四郎炎情剣)

光と影が美しい大映時代劇の眠狂四郎(眠狂四郎 円月斬り)