砂手紙のなりゆきブログ

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見てた人の半数ぐらいは気づいていたと思うアニメ『ガールズ&パンツァー』OPにおけるオートフォーカスの演出(ガルパン)

 でも半数ぐらいは割とどうでもいいと思ってたかもしれないのでブログで書いておきます。
 アニメ『ガールズ&パンツァー』は戦車で戦う(といっても殺しあうわけじゃないです)女子たちを描いて、戦車のリアルっぽい描写その他で戦車趣味その他の人たちを喜ばせた、何を作っても面白いので困る水島努監督の作品です。メインの県立大洗女子学園には4台(最終的には8台)の戦車があり、そのうちのIV号戦車に乗っているあんこうチームのメンバーが、主人公・西住みほのいるチームです。
 水島努監督の演出は不思議に漫画的で、登場人物の遠近感をピントをボカして表現する、ということがあまりないように思えます。手前で主人公たちが会話していて、その背後に「背景」として扱われる人物(モブ)なども過剰な奥行き感が出ないようにしています。最近のデジタルアニメを見慣れていると少し技法としては古臭く(新しいものを取り入れていない)ように見えますが、別にそんなことは話の邪魔になるようなことではありません。

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 あんこうチームのメンバーは5人で、オープニングの冒頭で脳内恋愛体験が豊富な武部沙織がオートフォーカスのカメラで集合写真を撮るんですが、ここはなかなか面白いことをやっています。
 まずはじめに沙織がカメラ位置を確認して、自分の撮影時の立ち位置に走っていくんですが、その場面では沙織の背中にピントがあってて、残りの3人(西住みほは隠れています)はボカしてますね。

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 で、沙織が途中で転ぶと、フォーカスの対象となる西住みほが写って、彼女を中心に4人にピントが合います。

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 ところが、転んだ沙織が立ち上がると、また彼女の背中にピントが合います。

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 でもって途中ピントがぐらぐらしながら、西住みほで合います。

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 これがカメラ的演出なんですが、アニメの中では登場人物が話している場合には、どんなに奥行きがあってもボカさない。

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