機関車トーマスは線路の上を左から右にうごき、きかんしゃやえもんは右から左にうごく
日本の絵本(をふくむ多くの本)は、本の右側が綴じられていて、文字が縦組みで「上から下→右から左」に読むようになっています。だから、本をひらいたときの人物・乗り物などのうごきは「右から左」にうごくようにえがかれ、『きかんしゃやえもん』(阿川弘之+岡部冬彦)という、機関車が主人公の絵本の表紙は「左側面(左を向いている構図)」として描かれます。
それに対して西洋の絵本(をふくむ多くの本)は、本の左側が綴じられていて、文字が横組みで「左から右→上から下」に読むようになっています。だから、本をひらいたときの人物・乗り物などの動きは「左から右」にうごくようにえがかれ、『機関車トーマス』(ウィルバート・オードリー+レジナルド・ダルビー)の表紙は「右側面(右を向いている構図)」として描かれます。
日本のものでは、巻物時代からそうですね。百鬼夜行図とか鳥獣戯画とか、右のほうから左のほうへ読むようにできている。中のひとはだいたい右から左へ走ってる。漢字文化圏ではみんなそうなんじゃないかな。
なお、機関車トーマスの仲間の機関車は、ネットで確認できる限りでは左右どちらの向きのものもあります。ジェームスやゴードンやヘンリーは表紙では右から左にうごいてる。
こういう童話のテキストがあるとしましょう。
『ヘンゼルとグレーテルはおなかをすかして森の中をさまよいました。(ページをめくる)するとなんということでしょう、一軒のお菓子でできた家がありました』
このテキストを日本人が絵本にするならヘンゼルとグレーテルは「右」に立ち、お菓子の家は「左」にあることにしますよね。西洋(横文字文化)のひとはたぶん逆。ヘンゼルとグレーテルは「左」で、お菓子の家は「右」。