砂手紙のなりゆきブログ

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ディズニー映画の『白雪姫』を再見してわかったこと(こういうショット切りっていつごろできたのか知りたい)

 世界初のカラー長編アニメーション映画『白雪姫』(1937年)は、おばあさんの毒りんごを食べて巨大化した白雪姫が口から火を吹いて王都を破壊しまくり、七人の小人が戦車やジェット機で攻撃しても全然歯がたたなかったところを、王子様が禁断の兵器であるオキシジェン・デストロイヤーで自らの命を犠牲にしてなんとかする物語です。
「あの白雪姫が最後の一匹だとは思えない。もしディズニー映画がつづけて作られるとしたら、あの白雪姫の同類がまた世界のどこかへあらわれて来るかもしれない」
(なんでもネタにしまうというのはいつものクセです)
 というわけで、むかし見たアニメを○十年後にまた見てみました。むかし不思議だった「みにくいおばあさんになっちゃった継母の女王がどうして世界一美しいということになるのか」という疑問はいま見ても不思議ですが、そんなことはどうでもいい。あと白雪姫も美人だけど、お継母さんだってべつに負けちゃいないといまもむかしも思う。
 森の中で怪物の(怪物みたいに見える)木の枝にひっかかったり、白雪姫がいろいろひどい目にあう場面はあれは昼ごろですね、たぶん。小人たちの家をみつけて掃除するのはその日の午後。
 夕方になって小人が家に戻る。正確にはドワーフ。鉱山の穴掘って宝物を掘り出すのが仕事だけど、ダイヤモンドはカッティングされた形で掘り出されるのは少しおかしい。テレビ放映すると実況ツイートが「宝石www」でいっぱいになるだろう。
 でもって、帰るときの歌が、日本語訳では「仕事が好き」なんだけど、仕事に行くときと帰るときとでは歌が違うんですね。
 帰るときは「It's time from work we go」で、行くときは「It's off to work we go」。「be off to work」=「仕事に行く」。ここ、TOEICに出るからちゃんと覚えておこう。
 仕事が終わるのは午後5時で、そこからえんえんと(たぶん2時間ぐらい)歩いて、家にたどり着くころにはランプをつけてる。楽しく食後踊ったりして、午後11時には就寝。健康的な生活です。
 と、ながながと話しましたが、一番の疑問なのは、こう、白雪姫を殺そうとして森のほうに連れて行く女王の家来の人がいますよね。で、ナイフ落としてとても殺せない、とか言う。
 そのときのショットとして、森の奥に逃げなさい、って家来がいうのを撮さないで、セリフだけにして、白雪姫がそれにたいするリアクション(えっ、そんな、どうしよう、みたいな)をするんですが…この「話している人物を撮さないで、アクションしている人物だけを撮す」って映画表現、いったいいつごろからあったんですかね。
 すくなくとも、トーキー以前にあったとは思えないし、長編トーキー映画が作られはじめたのは1920年代末ごろぐらいからです。
 サイレント(無声)映画だと、
1・何かしゃべっている人物
2・字幕で「早く森の奥へお逃げなさい!」とか出る
3・白雪姫が驚いたり困ったりしている演技
 という感じになるので、トーキー映画みたいにはとてもならない。

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