砂手紙のなりゆきブログ

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酒の出てくる映画(江分利満氏の優雅な生活)

 山口瞳による小説『江分利満氏の優雅な生活』は、雑誌「婦人画報」1961年10月号から1962年2月号に連載され、1963年2月に文藝春秋から刊行されて、山口瞳はこれによって第48回直木賞(1962年下半期)を受賞しました。
 岡本喜八監督による同題の映画が公開されたのは1963年11月のことで、主人公のサラリーマン・江分利満氏役である小林桂樹の熱演・怪演がすばらしすぎてかなり呆気にとられた映画でした。深夜(映画ではラスト近く)の長広舌は10年に1度ぐらいは聞いてみたくなります。
 江分利満氏の勤務先が酒の会社(サントリー)ということで、やたら酒を飲みまくる映画ですが、直木賞受賞の社内祝賀会ではビールが出ます(そこでも彼は小学校の運動会について長々と話します)。よく見ないとわからないんですが、そのラベルとかいろいろ調べてみると、1963年の春にサントリー武蔵野ビール工場から出荷・販売された新製品のサントリービールですね。しかしよくまぁうまいこと合わせたもんです。
 CMをYouTubeで見たりすると、クレージーキャッツが宣伝してて、キャッチフレーズは「青年のビール」。クレージーキャッツが若者代表だった時代なんて知らないんだけど、主要メンバーが当時30代前半かな。
 ちなみに映画はあまりヒットしませんでした。
 酒を飲んで酔っ払ってる人が出てくる映画はたくさんあるんですが、印象に残る「映画の中の酒」というとこれがいちばんかな。
 みなさんはいかがですか。銘柄・品種にこだわらないと『ドランクモンキー酔拳』とかあるか。

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