砂手紙のなりゆきブログ

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ヒッチコックの手法の問題(リアクション・ショット)

 コラムニストの植草甚一は、映画監督のアルフレッド・ヒッチコックレベッカ』の評(研究)の中で「リアクション・ショット」という手法を語ります。
 具体的には、「Aという人物のリアクションを先に出して、その後にその反応を招いたBという人物のアクションを出す」という手法で、それを最初に映画でやったのがヒッチコックだ、ということです。

A、花に水をやっている
A「あ、あなたは…!」(手に持っているじょうろとかを落とす)
B「ひさしぶりだな、A」

 という手法ですね。
 通常だと、

A、花に水をやっている
B「ひさしぶりだな、A」
A「あ、あなたは…!」(手に持っているじょうろとかを落とす)

 こうして文章にしてみると、なんてすごいことを考えたんだろうとか思いますが、これに限らずヒッチコックの映画文法(手法)は手塚治虫を含むあらゆるメディア表現者に模倣されてて、今の人たちはその模倣をまず知って、それがさんざん使われているのを見たあげく、「なんか古くさい手法だな」とか、ヒッチコックの映画に対して言ったりします。しませんかね。
 アニメだと、
「えーっ! 私が○○なんですか?」
「そうなんだよ、××ちゃん」
 みたいな感じ?