砂手紙のなりゆきブログ

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小説『図書館戦争』のヒロイン・笠原郁がもっとヤバい本を読みたがっていたら

 小説『図書館戦争』の中で主人公(ヒロイン)の笠原郁は高校3年生の秋に、昔好きだった童話の完結編を手に入れようとしたところを良化特務機関に取り締まられ、危機一髪で関東図書隊の図書館隊員に助けられて、それが「図書館の自由」を守るための図書隊員を志願するきっかけになりました。
 その童話が禁書扱いになったのは、作中の「乞食」という表現、およびその扱いのためで、そんなものを禁書にするのはおかしいのでは、という読者の共感・支持を得やすそうな本になっていて、話としては面白いんだけど、問題提起としては腑に落ちすぎるんでなんとかしたい。
 BLの本だったらどうですかね?
笠原郁「男同士の恋愛本のどこがいけないんですか! ただのエロ本には興味ありません!」
 でもって図書隊に入ったら、当然手塚光×堂上篤のBL本書くね。「班長は自分の…憧れの人ですから」
 嫌韓本だったら?
笠原郁「朝鮮人はうすぎたない劣等民族で、在日朝鮮人はみんな乞食なんです! なんで正しい歴史認識を知ろうとしちゃいけないんですか!」
 反レイシスト団体に襲撃されたヘイトスピーチしてる人が図書館に逃げこんで、それを笠原郁がかばう。
 フクシマの真実本だったら?
笠原郁「福島の農家は毒作物を作ってて、放射能は1ベクレルでも体内に入ったら鼻血出すんです! それが真実なんです!」
 福島ナンバーの車が図書館に入りそうになったら、運転手を撃ち殺す。「図書館の自由は、利用者の安全を確保されるために制限されます!」
 …こういう本に関しては、日本図書館協会や図書館員はどういう見解を持っているのか、ちょっと知りたくなった。