砂手紙のなりゆきブログ

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いろいろ疲れる映画『トゥルー・グリット』(検索しないでください)

(今回はタイトル作品のネタバレになっている部分もあるのでご留意ください)
 映画『トゥルー・グリット』(2010年)という西部劇を見ました。『勇気ある追跡』(1969年)のリメイク版ということなんですが、オリジナルについてはなんかこう、ジョン・ウェインが片目眼帯で馬に乗ってライフル銃ぶっ放すところしか覚えてない。リメイク版でその役(連邦保安官ルーベン・J・コグバーン)をやるのはジェフ・ブリッジスです。
 黙って見ていればそれだけで楽しい映画ですが、19世紀後半の史実とかアメリカ文化をさり気なく入れていて、これがもう検索しはじめたら大変なことになった。
 まぁメイン3人の持っている銃はそんなに難しくない。コルトM1848(少女)とウィンチェスター・モデル1873他(コグバーン保安官)、それにシャープス1874キャバリー・カービン・ライフル銃(ラ・ビーフ)です。わかりやすく言えば大型拳銃とライフルとカービン銃。普通にそれだけの理解でも映画楽しめます。
 主人公(マティ・ロス)の父親がフォート・スミスで殺されたのは1870年代後半(『勇気ある追跡』だと1880年10月6日)なので、だいたいそのころ使われてた銃が出てくる。
 で、殺された父親その他の死体と寝てマティ・ロスが、父親が泊まっていた宿屋の女主人に言う言葉が、「枯れた骨の谷で寝た預言者エゼギエルの気分」。いきなりわからないですね。エゼキエル書37章、「主の御手が私の上にあり、主の霊によって、私は連れ出され、谷間の真中に置かれた。そこには骨が満ちていた」このエゼキエルというのはどういう人かというと、いろいろ面倒くさい。
 結局3人でインディアン(先住民族居留地に逃げた悪党のトム・チェイニーを追うんですが、コグバーンに対してラ・ビーフが言うことに「ウィリアム・クァントリルとブラッディ・ビル・アンダースン(ウィリアム・T・アンダーソン)と夜道を駆けまわった男」これもさっぱりわからないですね。「カンザスのローレンスで女子供を殺した」ということで、カンザス州ローレンスの虐殺の話になります。南北戦争時代のゲリラ(非正規)兵です。
 それに対してコグバーンは「お前は何してた」って聞いて、ラ・ビーフは「軍はシュリーブポート、最初はカービイ・スミス」と答えます。このあたりになるともう面倒なので検索しない。
 そして、ラ・ビーフはテキサス・レンジャーで、議員をチェイニーが撃ったために追っています。最初は犬を撃って、「犬だけ撃ったのならmalum prohibitum(法定犯・行政犯)」でもって次に議員を撃って「議員を撃つのはmalum in se(自然犯)」。
 ざっくり見るだけで聖書から南北戦争史、法律用語まで検索したくなって困る。
 普通のアメリカ映画はまぁ、この映画の半分ぐらいですね、検索したくなるの。