砂手紙のなりゆきブログ

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スポーツ中継とメディア(リング)

 リアルタイムで中継して、視聴者が獲得できるスポーツとしては、まずラジオで野球が選ばれました。あのくらい聞いてて状況のわかるスポーツってあまりないと思う。「9回の表を迎えてツーアウトランナー1、2塁、巨人軍の攻撃バッターは3番長嶋」とか。相撲が日本のラジオ中継でメジャーになった理由は不明です。間が長くていろいろしゃべれて、あんまり不良性がないからかな。競馬だと状況はものすごく早口で伝えればわかるんだけれど、少しギャンブルという不良性があったのがいけないですね。
 テレビ中継の初期においては、カメラによる無線中継なんてできないんで、なんかスタジオに近いものにカメラを固定しておいて撮れるようなもの、ということで、ボクシングが取り上げられるようになりましたが(3分で1ラウンドなのでCMも入れやすいし)、問題は「いつ試合が終わるか」が計算しにくいところでした。ノックアウトによる試合終了はいきなりあるんで困る。しょうがないので似たようなものだけど、ショー的な要素が強くてだいたい時間内に終わるプロレスがテレビ中継されるようになり、日本でも昭和30年代には人気がありました。
 その後、スポーツ中継はテレビ独自の進化をとげ、ラジオで聞いていたのではさっぱりわからないサッカー・バスケットボールの中継を経て、テレビでないとさっぱり面白くないマラソン中継になったんじゃないかな。
 マラソンって、選手が競技場を出てからは、ライブで見ている人は戻ってくるまでの約2時間、何も見るものはないですからね。だいたい時間通りに終わるし、テレビで楽しむのに一番向いてるスポーツじゃないかと思った。
 ヒッチコックの映画『リング』(1927年)は、当時のイギリスにおけるボクシング興行界の雰囲気が映画的にわかる(本当はどうなのかはわからない)面白い映画でした。試合の迫力ってなかなかのもんなので、それをどう映像化するかというのはセンス以前の問題としてその時代に使えた機材(カメラ・照明など)がありますですかね。
 マーティン・スコセッシの『レイジング・ブル』(1980年)も見ます。