砂手紙のなりゆきブログ

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セシル・デイ=ルイス(ニコラス・ブレイク)

 イギリス本格推理小説の黄金時代の作家であるニコラス・ブレイクは本名セシル・デイ=ルイスと言って、英国の桂冠詩人(日本で言うところの宮内庁御用掛・和歌相談役みたいなもんだと思ってたけどよく知らない)であり、母校の校長の娘と結婚して、貧乏な時代に家の屋根の修繕費を稼ぐために推理小説『証拠の問題』(1935年)を書いて作家デビューしました。
 その後浮気とかいろいろあって、1951年にジル・バルコンという女優と結婚しました。英国でついてないアルフレッド・ヒッチコックにいい映画を撮らせた名プロデューサーであるマイケル・バルコンの次女です。
 彼の息子の俳優ダニエル・デイ=ルイスのほうが今はもう有名かもしれないですな。多分マーティン・スコセッシロバート・デ・ニーロの次くらいに評価している役者だと思う。
 しかし、セシル・デイ=ルイスニコラス・ブレイク)と映画との関係は、どうもよくわからない。妙に映画と関係がある話の『野獣死すべし』(1938年)がフランスのヌーヴェルヴァーグ時代からの人で今でも映画撮ってるクロード・シャブロルによって映画化されてる(1969年)なんてはじめて知ったよ。

 今日のテキストは杉江松恋『路地裏の迷宮踏査』(2014年、東京創元社)にヒントを得て書きました。この本、「○○は××なのだ(例:クロフツは企業ミステリ作家)」という、本格推理小説のあっぱれな現代的解釈が痛快でいろいろ刺激を受ける本でした。この本の話だけでもブログが1日分書けそうだ。