砂手紙のなりゆきブログ

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アニメ『はたらく魔王さま!』のこっちを向く演出(土屋浩幸)

 アニメ『はたらく魔王さま!』(2013年)は、異世界エンテ・イスラから現代日本に来た魔王サタンがファストフードで働いて、悪魔大元帥アルシエルと一緒に暮らして、後を追って来た勇者エミリア(ヒロイン)が電話会社のサポセンで働いて、魔王(真奥貞夫)が好きなごく平凡な高校生の佐々木千穂とかがいて、魔王と勇者が普通の勤労社会人とその元カノみたいな関係になる、なんていうのかな、日常対応アニメです。今までちょっと昔の映画ばかり見ていたんだけど、またアニメ見てもいいかな、って気分になるほど面白かった。題名と設定だけではどうもこの面白さが伝わらない気がする。
 で、この話のエッジの立った演出をしてるかな、って思えるのが、土屋浩幸さんがやった回です。アニメの演出でどの程度絵の主張ができるかちょっと不明なんですが、たとえば3話のこんな感じ。
「お前も公衆の面前だってこと忘れるな」って言われて向こうからこっち見るエミリア。

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 公衆の面前。カット切り返し。

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「とっ、とにかく」その背景にエミリアが前面に出てきてこっち向いてしゃべる。

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 こんなに見ててワクワクするアニメの構図は久しぶりです。
 特に地下街の喫茶店なんて、背景カットでごまかせないところすごく頑張って工夫して見せてて楽しい。この3話だけでアニメの構図についてものすごく話せる。
 でもこのアニメのかわいいところは、だいたい佐々木千穂(東山奈央)さんが担当してますけどね。
「や、やったぁ」

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