砂手紙のなりゆきブログ

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あのチャタレイ夫人が最後の一匹とは思えない

 第一次大戦は大量の戦死者と大量の戦争未亡人と大量の職業婦人を生みました。男性の数に比べて女性の数が多くなりすぎたことは、小説では『チャタレイ夫人の恋人』(1928年)が生まれ、映画では沢山の(ようやく)結婚できる娘の話が生まれ、社会ではバスガール・タイピスト・看護婦・司書などの職業婦人の進出が生まれました。
 映画『キング・コング』(1933年)は『チャタレイ夫人の恋人』の見世物的アプローチなんじゃないかと思う。
 日本だと『無法松の一生』(1943年)ですが、なにしろ戦前・戦中の話なんで、無法松と未亡人より、無法松と戦死した軍人(松岡陸軍大尉)との妙にホモ・ソーシャルな関係を描いた映画になってます(そんな気がする)。
 謎なのは、その大量に生産された戦争未亡人がどんな本を読んでいたのか、なんですね。少し調べてみよう。D.H.ロレンスの本でないことだけは確か。多分ミステリーでも文学系小説でもないだろうから、実話的読み物かな?
 クリスピン『消えた玩具屋』(1946年)では、主人公の詩人キャドガンが深夜オックスフォードへ行くということで相乗りで拾ってあげたトラックの運転手がD.H.ロレンスを読んでたりします。