砂手紙のなりゆきブログ

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チロルチョコとコインとカードで差别と偏見と不平等について考える

 カナダのトロントで、マイノリティの話をしないで差别と偏見について語って欲しい、と言われた人が、高校生相手のセミナーでは仕方がないので次のようなゲームをしたそうです。

ゲームその1:
ルール1・全員にランダムで1枚から3枚のコインを配る
ルール2・コイン2枚でチョコ1枚と交換

 このルールに基づくゲームでは、チョコは半分に割ることができるので、コイン3枚の人は1枚半のチョコ、コイン1枚の人は半分のチョコをもらって「差别」はともかく「意味のない不平等」について知ることができます。
 別の人はこのようなゲームを考えました。

ゲームその2:
ルール1・まず、30人のクラスを3つに分け、それぞれランダムにコイン1枚=10人、2枚=15人、3枚=5人にする
ルール2・規定時間内にコインを2枚持っていない者は殺される

 これは漫画『カイジ』に出てきたようなゲームですね。
 最適解は(多分)コイン3枚の人間を3人殺して、残りの1人からコインを1枚もらう。そうすると27人が助かります。
 ということで、ぼくもゲームを考えてみます。

ゲームその3:
ルール1・○・△・□のカードを3×9の27枚用意して、クラスの27人にランダムに配る。計算が面倒くさいので、残りの人は見学
ルール2・各グループに1枚から3枚のコインを3人ずつに配る。そうすると○グループのコイン1枚の人、というように9グループができる
ルール3・○の人が持っているコインは1枚「5円」、△の人は「10円」、□の人は「15円」として使えることにする
ルール4・チロルチョコの値段は10円で、半分にすることはできない(ここ重要)
ルール5・団体交渉はできない。1対1の交渉だけ。交渉に横入りはかまわない(ここも重要)

 最適解は、□のカードの誰か1人に全部のコインを渡すことだけど、そうすると27×15=405円なので、1つしかもらえない14人と、2つもらえる13人が出てきて、さらにややこしいことになる。
 公平だけを考えたら、全員が△の人の誰かにコイン渡すと全員チョコ1つずつになります。
 いずれにしても「交渉は1対1」というルールなので、ルール外ですが。
 ややこしいのでコインは「枚」、チョコは「つ」と数えます。
 ○でコイン1枚の人が□でコイン1枚の人と交渉してコインを渡したら、チョコが3つもらえることになるので、○1つ□2つというチョコ分配になる。
 ○でコイン2枚の人はチョコ1つもらえるけど、□でコイン2枚の人と交渉すると、□の人はコイン4枚でチョコ6つ買えるので、○2つ□4つというチョコ分配になる(どちらも1つ増える)。□でコイン1枚・3枚の人は○でコイン2枚の人とは交渉しない。
 ○でコイン3枚の人は、□でコイン1枚の人と交渉するとチョコ6つ、□でコイン3枚の人と交渉するとチョコ9つになる。どういうチョコ分配になるかは□の人の考えかた次第。
 カードを「階級」、コインを「資産」と考えるといいのです。