今まで読んだ一番こわい怪談は『ソラリスの陽のもとに』(レム)のような気がする
スタニスワフ・レムの長編『ソラリスの陽のもとに』は、人間の知性とはまったく異質の知性を持つ生命体とのコンタクトを描いた、というか、なんとか描いてみようとした長編SF小説です。
世の中でこわいものというと、生首とかこっち向いてる銃口とかいろいろあると思うんだけど、何を考えているのかわからない存在ほどこわいものはないと思うので、このこわさは小中千昭の「幽霊」のこわさに通じるものがあるはず。
ハリウッド的ホラーとか、タルコフスキーみたいなのじゃなくて、なんかもっとうまく視覚化・映像化できそうな気がする。
短編でこわいのは岡本綺堂ってのは間違いない。
青空文庫で「木曽の旅人」とか「西瓜」とか読めるんで読んでみるといい。
ただやはり、どうもちゃんとオチとか因縁話になっているところが、合理的な解決すぎてどうもね。
今まで読んだこわい話(怪談じゃないと思うけど)は曽野綾子「長い暗い冬」ですかね。メタな話が好きな人は小松左京「牛の首」と並んでおすすめ。