砂手紙のなりゆきブログ

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トロント子ども図書館帝国の崩壊と再生(ジュディス・メリル)

 カナダのトロントにはかつて、16世紀から20世紀はじめにわたる児童文学の私蔵書(オズボーン・コレクション)2000冊を元にして作られた、コモンウェルス(旧英国領)で最初の子ども図書館(1922年設立)がありました。トロント公共図書館の分館、ボーイズ&ガールズ・ハウスです。
 図書館経営というか運営はどこの国でも大変なんですが、カナダの場合は諸経費の削減に加えて中国人を中心とする移民と、政府のカナダ文化育成政策(図書の購入費の何%かを自国の本に当てること。英語圏の国ならではの変なきまり)によって壊滅的な打撃を受け、1995年10月に閉鎖されて非英語圏の本を中心にした分館になりました(それは嘘ですが閉鎖されたのは本当)。
 その後、オズボーン・コレクションは新しく作られたトロント公共図書館リリアン・H・スミス分館(この名前の人も有名な児童文学研究者です)に移されるのですが、4階建の素敵な外観の図書館の3階にはアメリカ生まれのSF作家・編集者でカナダに移住したジュディス・メリルのコレクション(1970年に寄贈されたそうです)を元に、当初の10倍、SF・ファンタジー関係3万冊の書籍と2万冊の雑誌が収められているそうです。トロント行く機会があったら覗いてみるといいかもしれない。手続きとかはよく知らない。
 とりあえず「Merril Collection」で検索してみてください。
 世界一SFの本を持っていた人はアッカーマンという人ですが、その人は30万冊(書籍・雑誌あわせて)だったらしいです。
 なお、Toronto Reference Library(トロント資料図書館)は世界一だと思うけどちょっと不明のコナン・ドイルの本のコレクションがあるので、シャーロキアンが行ってみてもいいかな。