ゆるく募集・三島由紀夫が自決の日に市ヶ谷に向かう車の中で「唐獅子牡丹」を歌ってた、という話の起源
どうも今の時代にネットで調べても、ぬるぬるした結果しか出てこないので落ち着かない。
若松孝二監督やポール・シュレイダー監督の映画作品の中の三島由紀夫も「唐獅子牡丹」を歌っているらしい。
今度図書館の人にでも聞いてみよう。
ぼくが仕入れた元ネタは『シネマの極道』(日下部五朗、2012年、新潮社)って本からです。
日下部五朗は東映京都撮影所でヤクザ映画を作りまくったプロデューサーで、『楢山節考』(1983年)で大島渚監督(『戦場のメリークリスマス』)の首取ってカンヌ映画祭のパルム・ドールを受賞しました。岡田茂社長も今村昌平監督も来なかったので、授賞式には彼と出演者の坂本スミ子が舞台に上がりました。
日本の映画関係者は体の大きい人がけっこういるんですが、日下部五朗も身長180センチを越える巨体で、彼と岡田茂(当時はまだ製作所長)と脚本家の笠原和夫が撮影所の中庭で話をしていたら、演技指導に来たはずの本物のヤクザの親分の車が3人を見ていきなりUターン。あとで事情を聞いたら「えらいガダイの大きいのが3人もいたので鉄砲玉かと思った」。
だいたいこういう話は、映画の人はすぐ盛って(大げさに)話すので困る。
大島渚も体の大きい人で、東映でも『天草四郎時貞』を撮ったんですが、これはコケました。
でもカンヌ映画祭の授賞式の写真見ると、審査委員長のウィリアム・スタイロンとオーソン・ウェルズは一緒に並んでる日下部五朗よりさらに大きいんだよな。日本の電車なんかで出くわしたら、アフリカ象に出くわしたのと同じぐらいたまげる。