映画『ローマの休日』より1年ほど早い日本映画『東京のえくぼ』、無精髭の上原謙がかっこいいです
映画『東京のえくぼ』(1952年)は、江戸時代より続く大会社・紀之國屋物産の跡取り社長である紀之國屋文太郎(上原謙)が、毎日めくら判の日々にうんざりして、ホルンが吹きたいなぁと言って会社を出て、下町のはつらつ娘で新しく社長の秘書になった若い娘さん・河上伸子(丹阿弥谷津子)の家に「左千男(さちお)」さんという名前で居候になる、とても面白い話です。
最後には社長の決裁がもらえないため仕事が滞った人たちが沢山いることを知って(その中に河上伸子の父もいます)、俺の仕事はめくら判なんだ、と気づく、天皇制批判なのか肯定なのか、それとも全然無関係なのかさっぱり不明ですが、伸子に結婚を申し込むというハッピーエンドになっています。
その時の会話はビルの屋上でおこなわれ、無精髭の上原謙がなかなかいい感じです。今どきの外国のシブい役者みたい。
この映画、スクリューボール・コメディとは違うし、題名から考えて『ローマの休日』のコンセプト頂いてるのかな、とか思ったら、それより1年早い1952年の夏に公開。
なんだよ、『ローマの休日』のほうがパクりかよ(多分違う)。
時代劇で、殿様が町人の家に居候になって、みたいな話、あるような気がする。