ラノベ『ねじまき精霊戦記 天鏡のアルデラミン』(宇野朴人)はどうして面白かったのか
最近のラノベについては何も知らないので、適当に人がおすすめしている本を読むことにしました。
つまらないのはブログに書かないで、ぼくの「あとで読む」リストの後ろのほうにしたりしています。
だいたい5冊に1冊は面白いのがあるので、ブログではそういうの紹介してみます。
今日は『ねじまき精霊戦記 天鏡のアルデラミン』(2012年)が面白かったのでその話をします。
これは架空の世界を舞台にしたファンタジーで、北極星とか身長170センチの子とかドレス着た子とかサーベル持った子とか、テーブルとかベッドとか普通にあるけど、あんまりそういうの考えないで面白かった。
どういう話かというと、あまりやる気のない主人公が古い体制の帝国軍人になって、科学の力(というか、ものの考え方)で世界を変えていく話。
なんで面白いかというと、いろいろ考えてみたんだけど、要するに、
「この作家はいろいろな物語を知っている」
からなんじゃないかな、とか思った。
キャラや世界の設定に秀でたものがあるわけではなく、幼女の第三皇女とか、武闘家の赤毛の女子の相棒とか、帝国対共和国の戦争とか、言ってみればただの記号です(へたな作家もうまい作家も同じ記号が使える)。
この作家に「物語に関する知識」を感じたのは、遭難して共和国側から帝国側に戻らなければならなくなった時の、姫の指輪(身分の証になるもの)の隠し場所です。
いろいろ語るとネタバレになりますが、今のところこの話は、『僕は友達が少ない』の次くらいに、ぼくの「あとで読む」リストに入っています。