砂手紙のなりゆきブログ

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休刊(廃刊)になった雑誌の編集長はどうなるか

 映画『ドラゴンタトゥーの女』(2011年)の主人公ミカエル・ブルムクヴィストは雑誌「ミレニアム」の編集長でしたが、雑誌の記事による名誉毀損でその座を降りることになります。彼の場合は経営者でもあったんですが、たいていの大手出版社における雑誌の編集長は経営陣(出版社の役員)ではなく社員の、働きざかりの人間がやることになっています。
 しかしまあ昨今、雑誌も広告収入が激減している関係でどんどん休刊(事実上の廃刊)になってるんで、そうなった場合は編集長はどうなるか、について考えます。
 考えられるのは、その会社をやめて新しい会社を作って新雑誌(似たようなもの)を創刊することですが、それで成功した人というのはあまり知らない。
 一度編集長になった人を別の雑誌の編集部で働かせる、というわけにも行きにくいので(編集長って横綱みたいなもんですかね)、社内の居場所には3つあります。
1・ハンコ部屋
 その部署にいる複数の同じような人は、机がみんな入口のほうを向いている。要するに名目管理職。バイトの人が一人、横向きの机を入口付近に置いてあって、肩書は「○○部長補佐」とか「○○局長扱」とかそんな感じ。仕事は回ってくる書類にハンコ押すだけ。
2・企画室
 企画室長という名目で、部下はなし。バイトの人が一人いるだけ。毎日企画書を書いて、週に一度部長(その上の人)と相談して、月に一度企画会議に提出する。企画段階で編集長時代のコネ(人脈)が使える。数年前だったら新書(その手のライターやジャーナリストも書く場所がなくなってしまってるので新書ライターになる)、今だったら時代小説かラノベかな? 編集費は打ち合わせのお茶代ぐらいで、その後飲みに行ったりしたら自腹。
3・編集以外の部署
 販売・宣伝・広告(広告取り)・社史編纂・校閲などいろいろある。子会社出向もある(本当に大手の場合)。そういう方面に移動しても、下の人間のほうがよく知ってるんで、やはりハンコ押すだけ。
 2の場合はまだ編集職として復活の可能性はあるんだけど、新しい雑誌なんて作れるんだろうか。