砂手紙のなりゆきブログ

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ポストモダンと過去へのアクセスへの容易さの問題(キルラキル)

 モダン(モダニズム)が、どうやったら今までのものより新しいものが作れるか、にこだわり続けたのに対し、ポストモダンは新しいとか古いとかない、という考えです(本当は少し違うんですがわかりやすいようにしてみました)。日本の小説におけるポストモダンと図書館の充実(過去のテキストへのアクセスがどんどん容易になっていったこと)の関連が、主に1980年代にあったように感じられるのは面白いことです。
 映画の場合も同じようなもので、今では「わざと古くさく撮る」という手法が、脚本からカメラ技法(演出)、役者の演技に至るまで、それはありだな、と思うレベルで存在しています。具体的にはダグラス・サークの手法を真似た『エデンより彼方に』(2002年)やアルフレッド・ヒッチコックを再構成した『ゴーン・ガール』(2014年)とか、いろいろあります。
 ただ、図書館とレンタルビデオが普及する1980年代までは、古くさくする手法以前の問題として、古くさく見えるものに接する機会が安価では得られませんでした。
 今だったら青空文庫プロジェクト・グーテンベルクの本とYouTubeかな。もっと安価に読んだり見たりすることができますね。
 半世紀以上も前に作られた映画のあとに、ついこの間作られた映画を見ることもできるので、「植木等ってなんか所ジョージみたいだな」と思いながら見てて、「あ、その逆か」と気づく。