砂手紙のなりゆきブログ

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来年の春までにペリー・ローダンを全巻読もうかな、とか思ったらけっこう大変そうなのだった

 宇宙英雄ペリー・ローダンのシリーズは早川文庫SFで現在毎月2冊出ていて、一つの本の中に2つ話が入っていて、もうじき(この日記を書いてる時点では)翻訳が500巻、話数としては1000話になろうとしている、世界最長のSFシリーズで、二階堂黎人が毎年ミステリーのベストテンに入れていることで有名です。二階堂黎人さんは多分日本で二番目ぐらいにペリー・ローダンが好きな作家です(一番は石原藤夫)。
 1年で全部読もうと思うと、1日に3話(2日で3冊)ぐらいの計算でこなせるんですが、ちょっと無理そうなので、だいぶ先になるかもしれない。
 物語のはじまりは、1961年に書かれた1971年のペリー・ローダンとその仲間たちの月面着陸の話です。だいたいK・H・シェールの書いた話は面白い、というのと、はじめの25巻(第一サークル)はあまり面白くない、というのが基礎知識です。第二サークルのアルコン帝国サークルになってからけっこう面白いらしい。
 しかし第一話、無駄にエンジニア気質で書かれています。月ロケットについてはこんな感じ。

『船の全長91.6メートル。第一段は36.5メートル、第二段24.7メートル、事実上の宇宙船となる第三段は30.4メートル。実用荷重をふくめ満タンの離陸重量は6850トン。月着陸船の実用荷重62.5トン』
『第一段は最良の化学燃料で作動します。硼化水素をベースとしたN=トリエステル=ボラザンですな。酸素は従来の硝酸により、1対4.9の混合比で飯能をおこします。(中略)第一段の切り離しは、高度88キロで時速10115キロの終局速度に達したとき、そこで落ちる。第二段は新型核化学動力をもち、高密度分子合金を使用することにより、3920度の高温で作動します。新しいマイクロ反応炉の取り付けは大成功でした。プルトニウム炉です』

 …ペリー・ローダンってはじめはこんな話だったのか。
 ドイツで最初に出版されたのはまだ西ドイツがあって、ベルリンの壁が出来た日(1961年8月13日)の次の月(1961年9月8日)。
 もちろん人類はまだ月に行ってない。