砂手紙のなりゆきブログ

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LPレコードとビートルズ(サージェント・ペパーズ)

 昔、音を売るソフトとしてLPレコードというものがありました。
 第二次大戦後に実用化され、1980年代にCDが出回るようになってから急速に廃れたので、だいたい30~40年ぐらいであまり一般的なものではなくなりましたが、サイズが30センチという大きなものだったので、それを入れるジャケットに工夫があったり、黒だけじゃなくて赤とか青のレコードがあったり、埃を掃除する道具みたいなものがあったり、いろいろなものがありました。どんないい足袋を作ってももはやほとんどの人が足袋なんてはかないし、小鉤(こはぜ)がどんなに工夫をされていても、それが何だかわからないのと同じです。
 ビートルズが現役だった時代に出したLPレコード『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』(1967年)には、すべての曲が終わった最後のB面(裏側)の一番内側の溝(専門用語で言うところのランアウト・グルーヴ)には意味不明のおしゃべりが入っていて、これが無限に続くことになっていました。
 そもそもそれにはタイトルがついていなかったんですが、1980年に「サージェント・ペパー・インナー・グルーヴ」というタイトルがつけられて、「I never could see any other way(他にどうすればいいかわからなかった)」という言葉が繰り返されていることが確認できます。今だったら「サージェント・ペパー中毒になる曲」とかつけられるんだろうな。
 似たようなものとしてはタモリの『戦後日本歌謡史』の最後があります。
 CD時代はライナーノーツとか解説の文字がLP時代と比べると小さすぎて難儀だったんですが、MP3時代になってからはあまりそういうの考えなくてもいいようになりました。