映画評論家・桂千穂による新東宝映画おすすめリスト
新東宝株式会社は1947年から1961年にかけて日本に存在した映画会社で、桂千穂『新東宝は“映画の宝庫”だった』(2015年、メディアックス)のリストによるとその期間に716本の映画が作られ、公開されました。
その中で桂千穂の見立てで◎になっている作品をリストアップしてみます。
1947(昭和22)年
東宝千一夜(市川崑)
ぼんぼん(佐伯清)
1948(昭和23)年
なし
1949(昭和24)年
野良犬(黒澤明)
1950(昭和25)年
若さま侍捕物帳 謎の能面屋敷(中川信夫)
1951(昭和26)年
なし
1952(昭和27)年
おかあさん(成瀬巳喜男)
1953(昭和28)年
嫁ぐ今宵に(斎藤達雄)
色ごよみ 権九郎旅日記(志村敏夫)
煙突の見える場所(五所平之助)
刺青殺人事件(森一生)
思春の泉(中川信夫)
1954(昭和29)年
叛乱(佐分利信+阿部豊)
大阪の宿(五所平之助)
1955(昭和30)年
しいのみ学園(清水宏)
1956(昭和31)年
天国はどこだ(松林宗恵)
1957(昭和32)年
なし
1958(昭和33)年
なし
1959(昭和34)年
大東亜戦争と国際裁判(小森白)
決闘不動坂の大仇討(山田達雄)
東海道四谷怪談(中川信夫)
九十九本目の生娘(曲谷守平)
1960(昭和35)年
黒線地帯(石井輝男)
大虐殺(小森白)
女死刑囚の脱獄(中川信夫)
黄線地帯(石井輝男)
女王蜂と大学の龍(石井輝男)
社長野郎ども(斎藤寅次郎)
怒号する巨弾(石川義寛)
1961(昭和36)年
セクシー地帯(石井輝男)
タイトルだけ見てると大蔵貢が社長になった1955年以降は、なんかこう見世物的映画のタイトルが多くなって、見たいような見たくないような感じになります。
ちなみに日本最初の吸血鬼映画は、1959年3月7日公開の『女吸血鬼』(中川信夫)だそうです。原作は橘外男「地底の美肉」かな。