砂手紙のなりゆきブログ

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スリンガーショット

 ハリウッド映画の西部劇では、主人公の身長をごまかすためと、銃を持ったポーズが抜群に決まる(特にワイドスクリーンの場合)ために、足元を写さないショットの技法が定着しました。
 写真ではニーショットという言いかたが一般的ですが、映画業界用語としてはスリンガーショットと言ってます。
 というのは嘘です。
 なんか、そういうようなこと書かれてた本読んだ気がするんで、適当に言ってみた。
 1960年代前半までは、ワイドスクリーンのカメラで人物のクローズアップというのがそもそもアナモフィックレンズの関係でうまくできませんでした。
 ちゃんとできるようになったのはパナビジョン社のカメラが一般的になってからです。
 映画『東京オリンピック』(1965年)や『荒野の用心棒』(1964年)は、一見ワイドスクリーンに見えますが、テクニスコープという、ひとコマを半分にする、なんちゃってワイド方式です。
 けっこうワイドなカメラ使いは宮川一夫とその弟子あたりの人でも苦労してて、市川崑『おとうと』(1960年)はそれを逆手に取って変な画像作りに成功しています。一見失敗しているように見えますが、それは多分気のせい。