砂手紙のなりゆきブログ

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翻訳小説を10倍遅く読んで頭にさっぱり入ってこない方法(RDGレッドデータガール)

 それは、以下のようにすることです。

「なんでこれが漢字で、これがひらがななのか考えながら読む」

 一例として、ハヤカワのポケミス、『黄昏に眠る秋』(2011年、ヨハン・テオリン、三角和代訳)の冒頭を見てみます。

『その壁は大きな丸石を積みあげたもので、灰色がかった白い苔に覆われ、少年の背丈と同じ高さだった。壁のあちらが見えるのは、サンダルばきでつま先立ちしたときだけだ。向こう側はなにもかもが灰色で霧がかかっていた。少年は世界の果てに立っているのかもしれないが、この子はわかっていた。まったく逆だと----世界は壁の向こう側から始まる。大きくて広い、祖父母の庭の外の世界。壁を超えた世界を探検したい気持ちは夏のあいだずっと少年を誘っていた。』

なぜ「大きな」で「おおきな」じゃないのか。
なぜ「積みあげた」で「つみあげた」「積み上げた」じゃないのか。
なぜ「白い」で「しろい」じゃないのか。
なぜ「覆われ」で「おおわれ」じゃないのか。
なぜ「同じ」で「おなじ」じゃないのか。
なぜ「見える」で「見える」じゃないのか。
なぜ「つま先立ち」で「つまさきだち」「つまさき立ち」「つま先だち」じゃないのか。

 たいていの作家・翻訳者は自分のなかでなにを漢字・ひらがなにするか、という長いおぼえがきを手元に残しておいて、原稿が完成したら最後に統一するはず。ただ、その「自分のなかのルール」をどのようにしているのか、というのは、さっぱり素人にはわからない。
 早川書房には早川書房の、また別の出版社では別のルールがあるかもしれない。
 今まで読んだ本で一番、「なんでこれが漢字・ひらがななの?」って首をかしげながら読んだ本は『RDGレッドデータガール』(2008~2012年、荻原規子)でした。
 そのせいで、アニメ放映中には読み終えることができなかったなあ。