砂手紙のなりゆきブログ

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ゴダールが作ったみたいなアニメ『ONE~輝く季節へ~』は後世にまで語り継ぎたい

 アニメ『ONE~輝く季節へ~』全年齢版(2001年)は、ギャルゲー原作のOVAで、元のゲームとは世界観が違っているうえ話がさっぱりわからないし作画もひどいとさんざんな評価なんですが、集中していても話がさっぱりわからないため2回見て、ウィキペディアの説明読んでなんとなくわかったけど、人にはうまく伝えられない。
 冥界をさまよう主人公と、4つの楽器を演奏するサブ・キャラクター(キャラデザインが、日本人の見たフランス人なみに見分けつかないので挫折する。ネクタイの締めかたが少しだけ違っている)、および7人だったかな、の少女がそれとつきあう話かな。
 陰影の濃い演出と、バスや電車、ほおずき、スケッチブック、カメレオンのおもちゃ、公園、校舎の屋上、赤い橋、それに四季の移り変わりが非常にメタファー的に扱われていて、ギャルゲ原作アニメにあるまじき嫌なBGMがステキすぎてあきれる。BGMを作った人はトルステン・ラッシュというドイツの、プログレというかテクノというかいろいろややこしい音楽をやってきた人。
 映画音楽だと黒沢清の「勝手にしやがれ!」シリーズかな? ええっ、あのトルステン・ラッシュの音楽? って思った人は見てみるといいです。ぼくはさっぱり知りません。
 しかし「集中してみてもわからない」という評価は、「つまらなすぎて集中できない」というアニメを何作か見たあととしては、集中できるだけでもすごいんじゃないかという気になってきた。
 ということで、ジャン・リュック・ゴダールが好きな人(そんな人はいない、という人には、黒沢清が好きだと言っているので、ちゃんといることはいる)には絶対おすすめ。
 そんなアニメは滅多にない。