砂手紙のなりゆきブログ

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痴漢撲滅キャンペーンのポスターに感じた違和感と改善感

 首都圏の駅には、2013年度から毎年6月には「痴漢撲滅キャンペーン」ということで、なかなか個性的なポスターが貼られていて人目を引くんですが、3回めのポスターを見て、最初のポスターに感じていた違和感がわかりました。
 まず、これが1回め(2013年)のもの。東京都報道発表資料「痴漢撲滅キャンペーンの実施について(2013年5月30日)」

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 そして、これが3回め(2015年)のもの。東京都報道発表資料「痴漢撲滅キャンペーンの実施について(2015年5月26日)」

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 最初ので気になるのは「痴漢被害者」「警官」「乗客の男女」の非ジェンダーフリーな記号化です。
 つまり、痴漢被害者は可愛くておとなしめな女性で、警官はガダイのいい男性。女性乗客は「痴漢ですって?」と、今どきはあまり聞かない女性語で話してる。
 あまりに記号的すぎるので、「この女性は小悪魔で、痴漢と言ってるけど実は痴漢冤罪の詐欺師」「こんな警官が来ても、ホモじゃない限りは被害を、恥ずかしすぎて言えない」としか思えません。
 ところが、2015年はどうかというと、
・痴漢被害者が「ちょっと可愛い男子」に見えなくもない
・それを聞いて来る警官が女性警官っぽい
・乗客の男女に男性語・女性語という特徴がない(女性と思われるキャラも「ゆるせない!」と普通語で話してる)
 という、いいところまできました。
 あとは、2013年のポスター、「痴漢です!!」と言ってるのを3コマめの男性にして、「どうしました!!」と来る警官を3コマめの女性にするぐらいの時代になればもっといい。