谷崎潤一郎『細雪』(1948年)と横溝正史『犬神家の一族』(1951年)の共通点(新房昭之)
それは…どちらも市川崑が映画化していること。
というのは誰でも知ってますが、実はもう一つあります。
歌舞伎「鬼一法眼」の三段目、菊畑の場。
くわしく書こうと思ったらもう別の人に書かれてた。検索してみてください。
小説のほうの『細雪』は読んでないし、映画のほうはもうだいぶ前に見たので忘れてしまいましたが、『細雪』はなんか、仲の悪い姉妹の話だったよなあ、と思ってたら、『犬神家の一族』もそうだったんで、横溝正史が影響を受けていることはもう、ぼくより横溝正史好きな人がいろいろ言及していることでしょう。
アニメ『さよなら絶望先生』(2007年)を映画『犬神家の一族』(1976年)の前後に見たり、アニメ『化物語』(2009年)を映画『細雪』(1983年)の前後に見たりするといろいろびっくりします。
新房昭之監督は市川崑監督のファンであることを公言してますが、市川崑の映画って実に構図がきれいで美しいんで、『東京オリンピック』(1965年)のように退屈きわまりない映画でもなんとか見れる。『炎上』(1958年)みたいにシナリオが面白いと嫌な話でも楽しめる。
アニメの演出的には多分、あまり動かさなくてもいい絵を作る参考になるんじゃないかな。
黒澤明や岡本喜八の映画だと、見てて面白いけどアニメにするのは大変かもしれない。
ただ、『さよなら絶望先生』の場合は、原作者の久米田康治がすでに、横溝正史・市川崑の影響を受けてるかどうかがわからないんだよなあ。
西尾維新が谷崎潤一郎の影響を受けているかどうかは文学史的に解明されていない。